飼育ガイド 幼虫の令(1令~3令)の見分け方

1シーズン累代飼育を経験すれば1令、2令、3令の違いはすぐわかるようになりますが、初めての年、初めて目にする幼虫がはたして「何令」なのかは分かりにくいものです。
しかし、下の写真のように並べてみれば一目瞭然。見分けるポイントは「幼虫の大きさ」につきます。

》クワガタ幼虫の大きさは3通り

クワガタムシは、卵からかえったあと、4回脱皮して成虫になります。

[卵]→孵化→[1令]→脱皮→[2令]→脱皮→[3令]→脱皮→[蛹]→脱皮→[成虫]

このようにクワガタムシの幼虫期間は、卵からかえってすぐの1令、1令が脱皮して一回り大きくなった2令、幼虫時代最後の3令の3段階あります。

左から順に、1令、2令、3令。いずれも国産オオクワガタの幼虫です。いちばん右の3令幼虫は体重7g。100円玉を目安にすると大きさの違いがよくわかります。

●1令幼虫
卵からかえってすぐの幼虫です。頭幅(とうふく=オレンジ色をした頭の大きさ)は1.5ミリ程度。100円玉の「0」の字くらいの大きさです。

●2令幼虫
頭幅は4.5ミリ~6ミリ程度。大きさは、ちょうど100円玉くらいです。

●3令幼虫
頭幅は7ミリ~13ミリ。雌雄の別、発育具合によって大きさがかなり違ってきますが、100円玉を軽く超える大きさなら3令に違いありません。

※「令」の字は、「齢」とも書きます。
※1令は初令(しょれい)、2令は亜終令(あしゅうれい)、3令は終令(しゅうれい)とも言います。

》大きさだけでは分からないときも

基本的には幼虫の大きさが「何令」かを見分けるポイントですが、慣れるまで、分かりにくいこともあります。

例えば、次の幼虫はそれぞれ何令でしょうか?

いちばん左と右の幼虫を比べると大きさに差がありますが、答えは「いずれも“2令”」です。左端から順に、2令初期(1令から脱皮して直後)、2令中期、2令後期(3令に脱皮する手前)となっています。

このように違う大きさになっているのは、それぞれの幼虫の発育段階が違うからです。

大きさだけを目安にすると、いちばん左の幼虫は「ひょっとして1令?」と迷うことになるかもしれません。

そんなときは幼虫の頭をみてください。令が変わると、頭の大きさも変わります。オオクワガタの場合、頭幅が4.5ミリから6ミリの範囲内であれば、その幼虫は2令です。

あとは、幼虫を見る回数が増えれば、自然と見分けられるようになります。


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